リディア(読み)りでぃあ(その他表記)Lydia

翻訳|Lydia

デジタル大辞泉 「リディア」の意味・読み・例文・類語

リディア(Lydia)

前7世紀ごろ、小アジア西部に成立した古代王国。首都サルディス交易中心地として繁栄。世界最古の鋳造貨幣を使用したとされる。前546年、ペルシアに征服された。

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精選版 日本国語大辞典 「リディア」の意味・読み・例文・類語

リディア

  1. ( Lydia )[ 異表記 ] リュディア
  2. [ 一 ] 小アジア西部の地方古来交通要地
  3. [ 二 ] 紀元前七世紀ころから紀元前六世紀中期まで、[ 一 ]にあった王国。首都サルディス。世界最古の鋳造貨幣を使用したとされる。前五四六年、ペルシアのキュロス大王に滅ぼされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リディア」の意味・わかりやすい解説

リディア
りでぃあ
Lydia

小アジア(現在のトルコ領)西部の古代地方名。カイストロス川の谷間に位置し、北はミシア、東はフリギア、南はカーリアなどの地方に接していた。西にはキュメ、スミルナエフェソスなどのギリシア植民都市があった。ギリシア文化の影響を受けた土着系メルムナダイ朝が、ここにサルディスを首都とする王国を築いた(前700ころ~前550)。海岸と内陸部を結ぶ交通の要衝にあったこの王国は、交易と豊富な資源(金、農産物)によって繁栄し、その最後の王クロイソスのときはアナトリア中央部をも勢力下に置いたが、アケメネス朝ペルシア王キロスに敗れた(前546)。ペルシア帝国時代にはその西部のサトラピ(属領)の中心的存在であった。アレクサンドロス大王の征服(前334)以後は、ギリシア・マケドニア人の支配下にあったが、紀元前189年のマグネシアの戦いのあとは、ペルガモンのアッタロス朝の領土となった。前133年にはローマの支配下に入り、そのアシア(アジア)属州となった。

 リディアの文明は土着のものとギリシア系のものが混合している。そこでは史上初の貨幣(金銀合金製)が前7世紀に発明され、それがギリシアとペルシア帝国に採用された。また、リディア旋法とよばれる歌謡節回しがギリシアに伝わった。リディア人の土着言語はローマ時代にも用いられていたが、アナトリアに入った古いインド・ヨーロッパ語の形を残していたと思われる。

[小川英雄]

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旺文社世界史事典 三訂版 「リディア」の解説

リディア
Lydia

小アジア西部にあったインド−ヨーロッパ語族の王国
世界最初の鋳造貨幣をつくった国として有名。アッシリアの滅亡後,新バビロニア王国・メディア・エジプトとオリエントの指導権を競った。前7世紀に海岸のギリシア都市から文化を吸収して栄えた。前546年アケメネス朝のキュロス2世に滅ぼされた。リディア王クロイソスの富は,ヘロドトスによって広く伝えられた。

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世界大百科事典(旧版)内のリディアの言及

【ペット】より

…日本の闘牛はウシどうしが力比べをする牛相撲ともいうべきもので,人間とウシが闘うスペインやメキシコの闘牛とは異なる。スペインでは闘牛用のリディア種という黒いウシを作っているが,これはたけだけしく人に反抗する性質へ向けて改良した唯一の家畜であろう。闘犬,闘鶏は先進国では動物愛護の見地から禁止している所が多いが,闘鶏は東南アジアで現在もひじょうに盛んである。…

※「リディア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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