ケーリー‐ハミルトンの定理(読み)けーりーはみるとんのていり

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ケーリー‐ハミルトンの定理
けーりーはみるとんのていり

Aを二次正方行列

とすると
  A2-(a+d)A+(ad-bc)E=O
が成り立つ。これをケーリーハミルトン定理という。ただし、Eは二次の単位行列、Oは二次の零行列である。一般にAをn次の正方行列

とすると、さらに一般化された定理が成り立つ。行列式

を展開して得られるλのn次多項式(固有多項式という)をΦA(λ)とすると、
  ΦA(A)=O  (零行列)
これが一般のケーリー‐ハミルトンの定理である。

[足立恒雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のケーリー‐ハミルトンの定理の言及

【行列】より

…このとき, Anc1An-1+……+cn-1AcnI=0(ゼロ行列)となる。この結論は,ケーリー=ハミルトンの定理Cayley‐Hamilton’s theoremと呼ばれる。cn=(-1)n×(Aの行列式)であり,Aの(i,j)成分をaijとすると,である。…

※「ケーリー‐ハミルトンの定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android