ゲッデス(英語表記)Patrick Geddes

改訂新版 世界大百科事典 「ゲッデス」の意味・わかりやすい解説

ゲッデス
Patrick Geddes
生没年:1854-1932

スコットランド出身の都市計画家,社会経済学者。近代都市論の創始者の一人。西アバディーンシャーのバラター生れ。T.H.ハクスリーのもとで生物学を学んだ後,初めはイギリスインドの大学で植物学や社会学を講じた。1878-79年ころにフランスの経済学者P.G.F.ル・プレーを知り,その社会経済学を中心にダーウィンの進化論,さらに生態学地理学等を採り入れて新しい都市計画理論を展開する。計画とは都市と田園農村),工業地域の3者間の有機的な関係を地域の枠組の中で解明するための社会科学の一領域であるととらえ,計画立案に先立つ科学的で総合的な地域調査とその分析を提唱,実践した。実際の計画またロンドンの都市計画会議(1910)を通じて広く認められ,さらにシカゴ大学の社会学教室やマンフォードを介してアメリカの地域計画の発展に寄与した。主著に《進化する都市》(1913,邦訳1982)がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

367日誕生日大事典 「ゲッデス」の解説

ゲッデス

生年月日:1893年4月21日
アメリカの舞台装置家
1958年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のゲッデスの言及

【都市計画】より

…彼の都市計画案がそのまま実現した例は,シャンディガールなどわずかで,ほとんどないといってよいが,今日の都市計画とくに既成市街地の再開発に与えた影響は見のがすことができない。このほかソリア・イ・マータArturo Soria y Mata(1844‐1920)やミリューチンNikolai Aleksandrovich Milyutin(1889‐1942)によって提案された帯状都市,T.ガルニエ提案の工業都市,ゲッデスPatrick Geddes(1854‐1931)の計画理論,F.L.ライトのブロード・エーカー,C.ジッテ,チーム・テン,リンチKevin Lynch(1918‐ )の都市設計論など数多くの独創的な理想都市の提案がある。
【近代都市計画の発達】
 現代の都市計画は産業革命以後,資本主義の発達に伴う急激な都市化に対応し,深刻化する都市問題に解決を見いだそうとする社会・経済の流れの中で成長した。…

※「ゲッデス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android