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生態学 せいたいがく ecology

翻訳|ecology

8件 の用語解説(生態学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生態学
せいたいがく
ecology

生物と生物,生物と環境との関係を究明する学問分野。エコロジー ecologyという英語は,有機体とその環境の間の諸関係の学という意味で,家庭を表すギリシア語オイコス」からドイツの進化論者エルンスト・ヘッケルが 1869年に造語したエコロギーということばに由来する。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

生態学

生物相互の関係や、生物と環境の関係を解明する生物学の一分野。主要な分野として、個体数の変動や分布の変化を扱う個体群生態学、多数の種の相互依存関係を明らかにする生態系生態学群集生態学、進化的な側面に注目する進化生態学行動生態学などがある。進化生態学はヒトにも適用されて進化心理学が生まれた。エコロジーという表現は、人間と自然の共存を目指す思想の象徴として用いられることが多い。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

せいたい‐がく【生態学】

生物と環境との関係、個体間の相互関係、エネルギー循環など、生物の生活に関する科学。動物生態学・植物生態学や個体群生態学・群集生態学などに分かれる。エコロジー。

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百科事典マイペディアの解説

生態学【せいたいがく】

エコロジーecologyとも。ヘッケルの造語で,〈生態学〉の訳は三好学による。生物の生活を,環境条件との関連の下に研究する学問分野。個体を対象とした生態学は動物行動学や,動物社会学が扱う領域となり,生態学は,久しく群集生態学と個体群生態学が主流であった。
→関連項目環境科学行動科学生物学

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栄養・生化学辞典の解説

生態学

 自然界で生活している生物集団について,その環境や他の生物との関係などを研究対象とする学問領域.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

せいたいがく【生態学 ecology】

エコロジーともいう。生物学の一分野であるが,どのような範囲を指すかは研究者によって異なり,定義は一定しない。このことばを最もすなおに受け取れば,生物の生態を対象とする分野ということになるが,この生態ということばそのものがかなり多義的であるうえに,一方では生態に含めるのがふつうな内容(例えば行動や習性)を生態学に含めない場合がしばしばあるのに対し,一方では生態にふつうは含めないような内容(例えば生態系の物質循環)がかなりの研究者によって生態学に含められているからである。

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大辞林 第三版の解説

せいたいがく【生態学】

生物とそれをとりまく環境の相互関係を研究し、生態系の構造と機能を明らかにする学問。エコロジー。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生態学
せいたいがく
ecology

生物の生活――自然界において生物が自己の維持と増殖を図る過程――を研究する生物学の一分科。おもな研究課題は、われわれが直観的に認める生物的自然の平衡(バランス)の実態と機構を、生物のもつ爆発的な増殖力、および、生物が環境と織り成す多様な関係と関連づけて解明することである。生態学は、ドイツのヘッケルE. Haeckel(1834―1919)により「生物と無機的環境および共に生活する他の生物との関係を研究する学問」と造語・定義された(1869)が、「自然の構造と機能の研究」「生物の分布と数の研究」「(動物の)社会学および経済学」という定義が用いられることもある。生態学という日本語は三好学(みよしまなぶ)によりBiologie(自然誌)の訳語としてつくられた(1895)。
 生態学は、同一種の生物集団を研究対象とする個体群生態学と、同一地域でともに生活する複数種の生物集団を扱う群集生態学に大別される。ただし、生物の生活は多様であるため、対象生物によって、動物・植物・微生物・人間生態学などに、あるいは対象場所により海洋・湖沼・河川・森林・草原・都市生態学などに分けられることもある。また、研究の観点、方法の違いにより、植物社会学・社会生物学(行動生態学)・進化生態学・生態系生態学なども成立する。エコロジーとよばれるものは、普通、人間生態学をさす。[安部琢哉]

個体群生態学

生物は自己維持に必要なエネルギーや栄養物質の取り込みを、普通、個体を単位として行う。ところが、生物の多くは有性生殖をするので、自己増殖には異性の個体が必要であり、生物が自己の維持と増殖を図る生活の基本単位は、交配が実際に行われる同種個体の集まり、つまり個体群である。ただし、この交配集団を野外で限定するのは困難な場合が多いため、限られた空間内の同種個体の集団を便宜的に個体群とよぶことが多い。個体群生態学は、害虫の防除や発生予察の分野でおもに研究が進展したこともあって、個体群を構成する個体の数の多さの時間的・空間的な変動の実態と個体数調節の機構の解明をその主たる課題とし、個体を等質なものとして扱う傾向が強かった。しかし、近年になって、個体間の遺伝的な違いを考慮にいれ、それぞれの個体は形態的、生理的、あるいは環境からの制約のもとで、自己のもつ遺伝子を次世代以降に結果として最大限に残すようふるまうであろうとの観点にたち、個体(個)が個体群(全体)に、生活に必要な資源の配分や繁殖活動を介して、どのようにかかわるかといった問題も、個体群生態学の重要な研究課題とされるようになった。[安部琢哉]

群集生態学

地球上に現存する100万種を超す生物は、多様な生物的あるいは無機的環境のなかで個別にすみ場(生息場所)を選んでいるが、その生活空間には多少とも規則的な重複が種間にみられる。生活空間を共有するこれらの生物は栄養物質・エネルギー・隠れ場などの生活に必要な資源の供給や取得をめぐって互いに直接・間接の相互依存、協調あるいは制約の関係を成立させている。また、これらの生物の生活を支えるエネルギー源のほとんどは究極的には太陽エネルギーであり、栄養物質は無機的環境から取り込まれたものであり、生物と無機的環境は物質の循環とエネルギーの流れを介して一つの系(システム)、生態系(エコシステム)を形成する。このような一定地域で生活をともにするすべての生物の集まりは群集(あるいは生物群集)とよばれ、群集の構造と機能およびそれらの時間的・空間的変化の実態を無機的環境と関連づけて研究するのが群集生態学である。群集は種組成、種の多様性、食物連鎖、栄養段階構造、生態遷移(サクセッション)、エネルギーの固定率や転移率などの個体群にない構造や属性をもち、これらが群集生態学の主要な研究課題となる。[安部琢哉]

生態学の歴史

生物の生活の記述は、アリストテレスに代表されるギリシア時代の哲学者によって始められ、ルネサンス以後、質・量ともに豊かになり、フンボルトやビュフォンに代表される博物学(自然誌)として結実した。『種の起原』を1859年に書いたダーウィンは、生物の多様さとその多様さに内在する類似性を自然選択と生存闘争によって説明し、自然の経済のなかで生物の生活を分析する生態学の基礎を築いた。
 ダーウィンによって大枠がつくられ、ヘッケルによって名づけられた生態学は、適応・進化の扱い、無機的環境に対する生物の主体性、個体群・群集における平衡あるいは調節作用の有無といった問題をめぐり、論争を繰り返しながら発展した。19世紀後半には、個々の適応的現象を目的論的に解釈する適応生態学が栄えた。その後、適応・進化の問題を生態学から外して、無機的環境の諸要因が生物に及ぼす影響を個体の生理と直接に結び付けて研究する傾向が強くなった。この環境決定論的な見方に反発してエルトンは『動物生態学』(1927)を著し、動物の経済学・社会学として動物生態学をとらえ、食物関係を軸に群集を分析するとともに、個体群の維持機構を追究した。エルトンの著作およびこれに先だって書かれたバーミングJ. E. B. Warming(1841―1924)による『植物生態学』(1895)によって現代生態学が成立したと考えられている。
 1930年以降、個体群生態学は農林業の害虫や水産生物の個体数変動の機構の解明に大きな成果をあげ、害虫の総合防除や漁業資源の合理的な維持管理への道を開いた。また、群集生態学の分野では、自然を生物と環境間の相互関係の集積からなるシステムととらえる生態系生態学が誕生し、1970年代に入って人類による環境破壊の激化とともに、人類と環境とのかかわりを扱う環境科学あるいはエコロジーの側面も強くもつようになった。これらは土地利用計画、自然保護に科学的根拠を与えるとともに、公害に反対する住民運動に一つの哲学的な基礎を提供した。これらとは別に、1960年以降、集団遺伝学・行動学の成果を生態学に導入して、進化・適応の問題を再度扱おうとする、進化生態学、社会生物学が台頭し、これらは社会科学の分野にも大きな影響を及ぼしつつある。[安部琢哉]
『C・S・エルトン著、渋谷寿夫訳『動物の生態学』(1955・科学新興社) ▽E・P・オダム著、三島次郎訳『生態学の基礎』原書第三版・全二巻(1974・培風館) ▽伊藤嘉昭著『動物生態学』上下(1976・古今書院) ▽R・H・ホイッタカー著、宝月欣二訳『生態学概説 生物群集と生態系』第二版(1978・培風館) ▽沼田眞編『生態学読本』(1982・東洋経済新報社) ▽E・O・ウィルソン著、伊藤嘉昭監修『社会生物学』全五冊(1984・思索社)』

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世界大百科事典内の生態学の言及

【生物学】より

…〈生態学〉については,その源流は自然の照観という一般的な態度までさかのぼるが,学問分野としての確立は19世紀であった。この世紀の初期に,世界旅行の知見をもとにして,植物群系の分類を論じたA.vonフンボルトは重要な先駆者であったが,生態学ecologyの命名者はE.H.ヘッケルであった(1886)。ただし,彼のいう生態学は,ある環境下での生物の適応を論ずる環境生理学というべき視点であった。…

【生物学】より

…こうした事実に立ちつつ,真核細胞での遺伝情報の制御や,さらにひろく形態形成や再生現象などを理解する新たな枠組みを求めて,世紀初頭の2大問題であった遺伝と個体発生を関連づけることは,1980年代から本格化した新たな課題である。
[生態学の発展]
 生物学を大きく二つに分けると,個体の生命現象を解析的に追究する方向(広義の生理学)と,個体から発して個体間,種間,個体と環境など,関係を外へ求めていく方向(広義の生態学)がある。後者は本来の生態学のほかに,動物心理学と生理学の一面,動物行動学,社会生物学,生物社会学,生物地理学,進化の問題などを含む。…

※「生態学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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