大学事典 「ゲルフ大学」の解説
ゲルフ大学[カナダ]
ゲルフだいがく
カナダのオンタリオ州ゲルフにある公費運営大学。1874年創設のオンタリオ農業学校(カナダ)を嚆矢とする。同校は1880年にオンタリオ農科大学(カナダ)となり,1903年にはゲルフへと移転し,女子学生に自然科学や家政学を教授していたマクドナルド専門学校とキャンパスを共有した。さらに北米で最長に近い歴史を持つオンタリオ獣医大学(カナダ)(1862年設立)も1922年にゲルフキャンパスへ移転したが,64年まではトロント大学の付属として位置づけられていた。第2次世界大戦後のオンタリオ州では,州経済の好調から熟練労働者の需要等を背景に,州政府が公費による大学支援を強調するようになり,小規模大学の統合と専門学校の大学昇格を促進した。その一つとして,1964年にゲルフに所在した前述の三つのカレッジを統合して,ゲルフ大学が誕生した。現在は農学分野と獣医学分野のみならず,環境分野や工学分野でも優れた研究を行い,2万500人の学部生と2500人の大学院生を擁し(2015年現在),教員は1500人を超える中規模大学である。
著者: 溝上智恵子
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報