日本大百科全書(ニッポニカ) 「トロント大学」の意味・わかりやすい解説
トロント大学
とろんとだいがく
The University of Toronto
カナダで最古・最大の公立連合大学。メイン・キャンパスはオンタリオ州の州都トロントにある。1827年イギリス国王の特許状により創設されたイギリス国教会系のキングズ・カレッジから発足、1850年に世俗化されてトロント大学と改称された。1887年、三つのカレッジ(ビクトリア=カナダ統一教会、トリニティ=アングリカン派、聖マイクル=ローマ教会派)と三つの神学校を統合、さらに1970年には四つのカレッジが加えられた。1985年に、5校の「構成」カレッジと3校の「連合」カレッジからなる文理学部、17の専門学部と、大学院、大学開放部等を擁し、さらに3校の自治権をもつ総合大学、3校の神学カレッジと提携した巨大な連合大学となった。宗派・非宗派のカレッジが共存し、公的・私的財源の双方により支援され、1998年現在、常勤教員数約1700人、学生数約5万2800人を数える。複雑かつユニークな総合大学といえる。31ある図書館は860万余の蔵書を有し、大学出版部とともにカナダ最大の規模を誇っている。
[喜多村和之]