コウガイケカビ(読み)コウガイケカビ(その他表記)Choanephora

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウガイケカビ」の意味・わかりやすい解説

コウガイケカビ(笄毛黴)
コウガイケカビ
Choanephora

藻菌類ケカビ目に属するカビ。温暖な地方の盛夏より初秋にかけ,1日咲きの花 (たとえばアサガオ,カボチャ,ムクゲなど) の花弁地面に落ちたものを拾って湿った室に置くとよく発生する。黒色の丈の低いカビであるが,空中に立上がった菌糸の枝分れした先端に,頭状のふくらみを生じ,その表面に黒色,亜球形ないし紡錘形胞子を密生する。この胞子は形態学上,胞子をただ1個含有する小胞子嚢にあたる。なおこのカビはしばしばケカビのそれに似た配偶子嚢を生じるが,この場合の柄はねじれるのが特徴である。接合子嚢は黒色の厚膜かぶり,その表面には著しい長毛を生じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android