コツマルワパ文化(読み)こつまるわぱぶんか(その他表記)Cotzmalhuapa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コツマルワパ文化」の意味・わかりやすい解説

コツマルワパ文化
こつまるわぱぶんか
Cotzmalhuapa

紀元前一千年紀に、グアテマラ南部高原サンタ・ルシア・コツマルワパを中心とした狭い地域で栄えた文化。マヤ地帯と近接しながら、それとは違う様式の彫刻が多数残されている。石彫の多くは浅浮彫りの碑石であり、生贄(いけにえ)の首を太陽に捧(ささ)げる球戯者、人間を食べるワシ骸骨(がいこつ)などが表現されるが、カカオがしばしば彫刻の主題に選ばれていることから、その栽培の豊穣(ほうじょう)を祈るために宗教儀礼が行われていたと推定され、しかもカカオが古代メソアメリカの交易における通貨の役割を果たしていたことから推して、商業と深い関係のある民族がこの文化の主人公であったと考えられる。球戯儀礼に関連した観念および装飾は、この文化が、メキシコ湾岸のベラクルス地方に栄えたエル・タヒンなどの諸文化に源をもつことを示すと考える学者もいる。コツマルワパ文化は紀元後10世紀までには衰亡している。

増田義郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む