日本大百科全書(ニッポニカ) 「コメネズミ」の意味・わかりやすい解説
コメネズミ
こめねずみ / 米鼠
rice rat
哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キヌゲネズミ科コメネズミ属に含まれる動物の総称。この属Oryzomysは、南アメリカからアメリカ合衆国南東部にかけて広く分布し、100種類ほどを含む大きなグループである。体重40~80グラム、ドブネズミに似た体形で、泳ぎや潜水も巧みである。水辺近くに草で巣をつくる。植物のほかに魚類や無脊椎(むせきつい)動物も食べる。また、イネ、サトウキビ、トウモロコシなどを食害することがある。妊娠期間25日、1産3~4子、年数回出産する。ガラパゴス諸島にも分布するが、ノネコやクマネズミのために絶滅した所もある。コメネズミに近縁のオオコメネズミ属Megalomysは西インド諸島に3種が生息していたが、20世紀初めに絶滅した。
[宮尾嶽雄]