日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンカン」の意味・わかりやすい解説
コンカン
こんかん
Konkan
インド西部、マハラシュトラ州西部の海岸地域。アラビア海と西ガーツ山脈に挟まれ、北はダマンから南はゴアに至る幅40~80キロメートル、長さ530キロメートルの地帯である。西ガーツ山脈に発する多くの川によって開析されたラテライト台地と、細長い低地からなり、河口の入り江は奥深い。中心都市ムンバイ(ボンベイ)もこうした入り江の一角にある。低地で米、サトウキビ、ココナッツの栽培が盛んである一方、海岸部の漁業や製塩も重要である。16世紀初頭からポルトガルの支配を受けていたが、18世紀にはムガル帝国に反抗したマラータ海賊の根拠地となった。鉄鉱石の産地であるゴアは、1961年に至るまでポルトガルの支配下にあった。
[貞方 昇]