日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダマン」の意味・わかりやすい解説
ダマン
だまん
Daman
インド西部、カンベイ湾の湾口東岸にある中央政府直轄地区。ダマーオDamãoともいう。面積72平方キロメートル、人口3万5743(2001)、19万1173(2011センサス)。ムンバイ(ボンベイ)の北150キロメートルの西ガーツ山脈の山麓(さんろく)に位置し、ダマン・ガンガ川に沿う地域で、米、小麦、タバコなどが栽培される。1559年以来ポルトガルの植民地となり、1962年北のディウ、南のゴアとともに、インド中央政府の直轄地区に、1987年ゴアを分割、2020年1月ダードラー・ナガル・ハベーリー直轄地区と合併し、ダードラー・ナガル・ハベーリーおよびダマン・ディウ中央政府直轄地区となった。中心地は港のあるダマンで、チーク材、米、タバコなどの積出し港として栄えた。とくにアフリカ東岸との交易が盛んであったが、港湾設備や後背地との交通の便が悪く、ムンバイにその地位を奪われた。ムンバイとアーメダバードを結ぶ鉄道が通じる。海岸にはポルトガル領時代の要塞(ようさい)の廃墟(はいきょ)がある。
[林 正久]