日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンピュータ・アニメーション
こんぴゅーたあにめーしょん
computer animation
アニメーションフィルムの作成にコンピュータを利用したり、ディスプレー装置のスクリーン上でコンピュータによってリアルタイムのアニメーションを行ったりすること。リアルタイムの場合には、1こまの作成に使える時間が限られるために、複雑な絵をつくるのは困難である。その場合には、フィルムやビデオテープ上に1こまずつ撮影しておいて、あとからまとめて上映することになる。絵は、最初から全部コンピュータで計算によってつくらせる場合と、人間が描いたものを基にするときがある。とくに、中割りといって、2枚の絵から中間のこまをつくる作業をコンピュータに行わせるケースが多い。
コンピュータ・アニメーションは1964年ごろから始まり、日本では1968年(昭和43)にNHKがテレビ放送の開票速報に使った例がある。その後、コマーシャル・フィルムや劇場用映画で特殊効果をもたせたいときや、複雑な現象の説明フィルムなどに広く使われている。
[大野義夫]
初期のコンピュータ・アニメーションは専用のコンピュータを使った先鋭的なものだったが、技術的な進歩によって幅広い層での利用が可能となり、個人も含めてアニメーション制作には欠かせない存在となっている。
[編集部]