ゴルドバッハの予想(読み)ゴルドバッハのよそう(その他表記)Goldbach conjecture

改訂新版 世界大百科事典 「ゴルドバッハの予想」の意味・わかりやすい解説

ゴルドバッハの予想 (ゴルドバッハのよそう)
Goldbach conjecture

C.ゴルドバッハは,1742年のL.オイラーへの手紙の中で次のような予想を述べている。すなわち,4=2+2,6=3+3,……,100=3+97=41+59のように,4以上の偶数は,2個の素数の和として表され,また,9=3+3+3,97=3+5+89のように9以上の奇数は3個の素数の和として表されるというのである。この予想は,意味が明りょうでありながら困難な問題として多くの人々の興味を引いてきた。現在もなお解決されていないが,今世紀に入って実質的な進展が見られた。1937年にビノグラドフI.M.Vinogradovは,十分大きな奇数は3個の素数の和として表されるという著しい結果を証明した。またこれ以外にも,2個の素数の和として表されない偶数は,存在したとしてもきわめて少ないこと,4以上の偶数は26個以内の素数の和として表されることなどが知られている。
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