改訂新版 世界大百科事典 「ゴルドバッハ」の意味・わかりやすい解説
ゴルドバッハ
Christian Goldbach
生没年:1690-1764
プロイセンのケーニヒスベルク(現,ロシア連邦領内のカリーニングラード)生れの数学者。有力政治家の子に生まれ,ケーニヒスベルクの大学で数学と医学を学んだ。20歳のころヨーロッパ各地を旅し,G.W.F.ライプニッツやベルヌーイ家の人々と親交を結んだ。1726年ころの約2年間ロシア帝国学士院に地位を得,28年1月にモスクワへ移り,ピョートル2世およびアンナ王女の家庭教師となったが,32年にはロシア帝国学士院に戻った。また,この数年前からL.オイラーとの文通が始まり,それは63年まで続いた。1737年ころから政治家と接触することが多くなり,42年には外務省入りをして学士院との縁が切れたと同時に,数学から遠ざかった。偶数を二つの素数の和で表すことに関するゴルドバッハの予想は42年に発表されたものである。
執筆者:永田 雅宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報