ゴンゴリスモ(読み)ごんごりすも(英語表記)Gongorismo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴンゴリスモ」の意味・わかりやすい解説

ゴンゴリスモ
ごんごりすも
Gongorismo

17世紀のスペインの詩人ゴンゴラの名に由来する独特な表現法で、文飾主義culteranismoともよばれる。同時代のイギリスのユーフィズム、フランスプレシオジテイタリアマリニズモなどと同じように、極端に技巧を重視するバロック詩の典型的な表現法の一つで、その特徴は、ラテン語語彙(ごい)や構文を大胆に取り入れた破格的なスペイン語で、意表をつく特異な隠喩(いんゆ)を多く用いた点にある。したがって、この派の作品は一般にきわめて晦渋(かいじゅう)なものが多い。ゴンゴリスモは、これと対立する奇想主義とともに、17世紀のスペイン文学に多大の影響を及ぼしたのみならず、20世紀になってふたたび見直されている。

桑名一博

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android