改訂新版 世界大百科事典 「ゴート同盟」の意味・わかりやすい解説
ゴート同盟 (ゴートどうめい)
Götiska Förbundet
スウェーデンの愛国主義団体。ロマン主義の影響下1811年ストックホルムで結成された。その前身はウプサラの大学生社交組織。往時のゴート人の有した自由精神,男子の勇気,誠実な心の復活を目標に掲げ,おもに詩人や歴史学者らが参加。指導的な人々としては作家アドレルベトJacob Adlerbeth,歴史学教授イェイイェル,スウェーデン体操の父リング,詩人テグネール,詩人アフセリウスArvid August Afzeliusが有名。機関誌は《イードゥナIduna》(1811-24,1845)で,これにゴート主義ロマン主義の最高傑作,テグネールのロマンス《フリティヨフ物語》の一部が初めて発表された(1820)。この運動は1820年代に停止していくが,その精神は後のパン・スカンジナビア主義と,学問研究(とくに北欧諸語の研究)のなかに継承された(新ゴート主義)。
執筆者:菅原 邦城
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報