日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウプサラ」の意味・わかりやすい解説
ウプサラ
うぷさら
Uppsala
スウェーデン南東部、首都ストックホルムの北70キロメートルに位置する学園都市。人口19万1110(2001)。1477年創立の総合大学をはじめ、医大、農大、および各種の研究所がある。近年は製薬、印刷出版、食品工業が設立され、工業都市の観をみせている。1435年建立の大聖堂は北欧最大であり、カロリーナ図書館所蔵の銀の聖書は500年代のものとして世界的に有名である。4月30日の春の学生祭も呼び物の一つである。
[中島香子]
歴史
ウプサラの旧名はアロス、またはエストラ(東)・アロスÖstra Arosとよばれ、その発祥地である古ウプサラは同市の北5キロメートルに位置し、古代から中世初期まで政教、交易の中心地として栄えた。13世紀にはそこに司教座が設置されたが、たび重なる大火のため1273年、大司教座としてアロスに遷座、このときウプサラと改名した。
以降、教会、修道院、大聖堂などが建立され、宗教の中核都市となったが、16世紀中ごろの人口はわずか200人強であった。1477年にウプサラ大学が設立されて以来、スウェーデンの学問の中心となった。1702年の大火で市の大半が灰燼(かいじん)に帰したが、いち早く復興された。19世紀中葉、人口5000人弱の同市は、交通の発達で、中規模都市に発展した。
[清原瑞彦]