日本大百科全書(ニッポニカ) 「スウェーデン体操」の意味・わかりやすい解説
スウェーデン体操
すうぇーでんたいそう
19世紀の初めリングが創始した体操で、生理学、解剖学理論を基礎として構成され、とくに教育体操と医療体操に特色がある。スウェーデン体操の特質は、(1)科学的である。つまり指導が段階的に行われる。(2)年齢に応じて発展的に教材を配列でき、性別に関係なく実施できる。(3)身体各部分の運動を含み全身的である。(4)保健的、矯正的特色をもっている。(5)準備運動、整理運動としても優れている。しかしその反面、興味に乏しい、人為的、形式的で日常生活との関係が薄い、律動性に乏しい、運動が局部的などの欠点もあった。日本には1902年(明治35)に紹介され、学校体育の中心教材として取り入れられた。
[上迫忠夫]