サイクロップス計画(読み)サイクロップスけいかく(英語表記)Cyclops plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイクロップス計画」の意味・わかりやすい解説

サイクロップス計画
サイクロップスけいかく
Cyclops plan

1971年の夏,カリフォルニア州にあるアメリカ航空宇宙局 NASA所属のエームス研究所で開かれた星間通信の技術的問題に関する研究会で,地球外の知的生命からの信号電波をとらえるために二十数人の科学者や技術者が設計試み,研究が開始された大アンテナ群建造計画。その内容は直径約 100mのパラボラアンテナ約 1400個を直径約 16kmの円形領域をおおうように配置し,各アンテナに波長 10~60cmの宇宙電波検出をコンピュータと連動して分担させ,1個の星を 1000秒ずつ,1000光年以内の可能性のあるすべての星を 30年間で調べつくそうというもの。この大アンテナ群は銀河系内や数十万光年以内の他の銀河の知的生命からの信号電波まで探知できる受信システムとして考案され,送信機としても使えるように設計された。この計画の名前は,宇宙を監視する大きな一つ目ということから,ギリシア神話に登場する一つ目の巨人サイクロップスにちなんでつけられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android