普及版 字通 「サイ・ころす」の読み・字形・画数・意味
15画
[字訓] ころす
[説文解字]
[字形] 会意
宀(べん)+祟(すい)+(又)(ゆう)。宀は所、祟は祟(たたり)をなす呪霊をもつ獣の象形で、求や(殺)・(遂)などに含まれる獣形は、その系列のものである。は中などの聖所で、祟をなす呪能をもつ獣をもち、祈る形で、祈り殺すほど強い呪霊をもつとされた。〔説文〕七下に「塞ぐなり」とし、また「宀に從ひ、(すい)聲。讀みて、書に曰く、三(さんべう)を(ころ)すの(ざん)の(ごと)くす」(段注本)という。については〔説文〕三下に「楚人(そひと)、卜して吉凶を問ふを謂ひてと曰ふ。~祟の亦聲。讀みて贅(ぜい)のくす」とあり、それぞれ声が一致しない。は祟の亦声の字。ただは・・と通用する字で、声義の近い語であろうと思われる。
[訓義]
1. ふさぐ。
2. さかい、塞外。
3. ・殺・と通用して、ころす。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 フサグ
[語系]
tshat、・tsuat、sheat、tsyuanは声近く、通用することがある。〔書、舜典〕「三を三にす」を、〔孟子、万章上〕に「す」に作り、〔史記、五帝本紀〕に「す」に作る。また〔左伝、昭元年〕に「叔を(ころ)す」とあり、金文でははの従うところの祟と同形である。金文の字形を以ていえば、はの従う祟の象形で、殺の意にも用い、はその繁文で、中でその呪儀を行うことをいう。・(遷)はその声転の字を用いたものであろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報