デジタル大辞泉
「同形」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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どう‐けい【同形・同型】
- 〘 名詞 〙
- ① かたちが同じであること。性質・様子などが同じであること。
- [初出の実例]「又右に同形にて象牙製笄端より一寸ばかり下て唐花の定紋を漆書にしたる両端両面とも四紋ある物」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)一〇)
- [その他の文献]〔論衡‐物勢〕
- ② 結晶学で、同じ結晶構造型をもつ結晶をいう。〔稿本化学語彙(1900)〕
- ③ 数学で、二つの同種の構造の間の関係の一つ。二つの同種の構造A、Bの間に一対一の対応がつき、それによって両者を同一とみなせるとき、AとBとは同形であるという。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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同形 (どうけい)
isomorph
類質同像ともいう。化学組成は異にしても結晶構造がほとんど同じものをいう。ドイツのE.ミッチェルリヒが,成分は異なるが組成形式に類似性をもつ無機塩の結晶形の観察実験から確立した概念。その後,結晶構造の研究の進歩により結晶構造との関係にまで拡張され,結晶化学の基本法則の一つとなった。たとえば,塩化ナトリウム(食塩)型構造をとるNaCl,MgO,TiC,PbSなど,セン亜鉛鉱型構造をとるZnS,GaAs,β-SiCなどの関係がその例で,無機化合物に限らない。新材料開発の指導原理として重要である。
執筆者:高須 新一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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同形
どうけい
isomorphism
異質同形、異質同像、類質同形、同像などともいう。狭義には、広範囲な組成領域で同一の結晶構造型に属する結晶相互間の混晶(同形混晶)をつくりうるものどうしの結晶を同形という。ドイツのE・E・ミッチェルリヒが確立した概念である。たとえば金と銀、塩化カリウムと塩化ルビジウムなどの関係がそれにあたる。広義では、同じ結晶構造型に属するだけで同形というが、別にこれを同一構造形isotypyともいう。塩化ナトリウムと酸化マグネシウムとの関係がその例で、ともに塩化ナトリウム型の結晶構造をとるが、混晶はつくらない。
[岩本振武]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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同形
一種類または数種類の物質が類似した結晶構造を持つ性質で,一種類またはそれ以上の種類の結晶構造を作る元素(イオン,原子およびこれらの群)が他のものとの置換が可能な場合に起こる.isomorphousな系列は二種類またはそれ以上の端成分をもち,安定しているが化学組成および軸率や光学的性質などの物理的性質が異なっている.中間の組成のものは,置換の比率が増加するにしたがって,一方の端成分から他方の端成分に性質が徐々に変化する[Day : 1910].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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同形
どうけい
isomorphism
化学用語。異質同形,同像ともいう。異なる物質が同じ結晶構造をもつ場合をいう。狭義には互いに任意の割合に混合して固溶体をつくる結晶をいい,例として金と銀がある。化学組成が似ている化合物はよく似た結晶系の結晶となる。これをミッチェルリヒの同形の法則という。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の同形の言及
【同型】より
…同形とも書く。いくつかの数学構造をもつ二つの集合AからBへの[写像]fが同型写像であるとは,fがAからBへの全単射写像で,fおよび逆写像f-1がA,Bの対応する数学構造を保つことをいう。…
※「同形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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