最新 地学事典 「サギング」の解説
サギング
sagging
山地にみられる変位現象。初出はU.Zischinsky(1966)で,オーストリアのアルプス山地斜面の深層に根ざした大規模地すべりや岩体のクリープに基づく斜面の変位現象を「Sack-ungen」と呼んだ。J.N.Hutchinson(1988)は山地の山稜付近の斜面にみられる二重山稜・小崖地形・線状凹地・地溝など,明確に地すべりとして分類できない斜面の変形作用に関して総称的に用いるとした。しかし,形態的特徴から次の三つのカテゴリーに分けられている。1)地すべり運動の初期状況と関係した単一斜面に発生するサギング:a.回転(本来円形の)運動を伴うタイプ(R-sagging),b.顕著な円形を示さない複合タイプ(C-sagging)で,ⅰ)傾いた変形面をもったもの(CL)と,ⅱ)二つの平面から構成されるもの(CB)とがある。2)尾根の拡大を導く二つの地すべり運動の初期状況と関係して両側斜面に発生するサギング:a.本来の円形の回転運動を伴うタイプ,b.明らかに非円形の複合タイプで,ⅰ)傾いた変形面をもったもの(DCL)と,ⅱ)二つの平面から構成されるもの(DCB)とがある。3)複数のトップリングと関係したサギング(T-sagging)。 (次ページ図)
執筆者:古谷 尊彦

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

