家庭医学館 「サットン白斑」の解説
さっとんはくはん【サットン白斑 Leucoderma Sutton】
小型の黒子(ほくろ)を中心にして、周囲の皮膚に円形に生じる白斑です。小児や青年の胴体(どうたい)や顔、頸部(けいぶ)(くび筋)などにみられ、外にむけてだんだん大きくなる傾向があります。半数くらいに尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)(「尋常性白斑」)の合併がみられます。
黒子が中心にないのに、同じように周囲に白斑ができることをサットン現象(げんしょう) Sutton's Phenomenon といいます。もっとも危険なのは悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)(メラノーマ(「メラノーマ(悪性黒色腫)」))で、しばしばみられます。血管腫(けっかんしゅ)、皮膚線維腫(ひふせんいしゅ)、表皮母斑(ひょうひぼはん)、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)(いぼ)などでもこの現象がおこることがあります。
[治療]
黒子を形成する母斑細胞やメラニン色素に対する自己免疫(じこめんえき)のはたらきが、黒子の周囲の正常な皮膚にある色素細胞を変性させたり消失させるためにできると考えられています。初期の段階に中央の黒子を切除すると、白斑は自然治癒(しぜんちゆ)します。