メラノーマ(読み)めらのーまあくせいこくしょくしゅ(その他表記)Malignant Melanoma

デジタル大辞泉 「メラノーマ」の意味・読み・例文・類語

メラノーマ(melanoma)

悪性黒色腫あくせいこくしょくしゅ

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精選版 日本国語大辞典 「メラノーマ」の意味・読み・例文・類語

メラノーマ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] melanoma ) メラニン含有細胞からなる腫瘍良性のものと悪性のものがある。良性の黒子(ほくろ)から悪性の黒色肉腫、黒色癌まで種々のものがこれに属する。

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家庭医学館 「メラノーマ」の解説

めらのーまあくせいこくしょくしゅ【メラノーマ(悪性黒色腫) Malignant Melanoma】

[どんな病気か]
 メラニン色素をつくっている色素細胞がんで、皮膚黒褐色に変わることで気づくことが多いものです。とても転移しやすく、悪性度が高いため、注意が欠かせません。
 この病気は白色人種に多くみられ、強い日光(紫外線)にくり返し曝(さら)されることが原因の1つと考えられています。
 日本人では足底や爪(つめ)にできることが多く、その原因はけがなどの機械的な刺激ではないかと考えられてきました。最近は背部や四肢しし)にできる人が増えてきており、白色人種同様、紫外線の影響によるとみられています。
●自己発見法
 ふつうの人にはなかなか区別しにくいのですが、大きさが1cm以上の黒褐色の不規則な形をしており、色に濃淡差が目だつ病変ができたら、すぐに皮膚科専門医を受診し、みてもらいましょう。
 なお、黒褐色ばかりでなく、紅色のメラノーマもまれにあります。
 爪のメラノーマは、爪に濃淡差のある色素沈着が幅広くでき、進行すると爪が変形したり破壊されてしまいます。
 メラノーマの診断には皮膚科専門医の診察が必要です。皮膚が黒くなる病変にはメラノーマのほかに、いわゆるほくろ母斑(ぼはん))や脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)など、良性の疾患や症状がたくさんあるからです。
[治療]
 手術治療が中心です。病変部をすべて摘出し、場合によってはリンパ節を郭清(かくせい)(除去)します。早期の段階のものならば完治しますが、進行したものはリンパ節や他の内臓に転移している危険があります。
 転移した進行期のメラノーマには、化学療法免疫療法(めんえきりょうほう)などが行なわれます。効果があることもありますが、大きな期待はできないことも少なくありません。
●ほくろからメラノーマが生じるか
 俗にほくろといわれる病変の多くは色素細胞母斑(しきそさいぼうぼはん)です。ほくろからメラノーマができるという説が昔からありますが、最近はその説に反対する研究者もいて、まだ検討が終わっていません。
●メラノーマの厚さの重要性
 メラノーマは、転移しやすい、とてもこわいがんですが、転移がおこるかどうかを予測するのにもっとも役だつのがその厚さです。厚さが1mm未満の早期病変はほとんど転移しません。しかし、厚さが4mm以上になると転移する確率が高くなります。

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知恵蔵 「メラノーマ」の解説

メラノーマ

悪性黒色腫のこと。単に黒色腫と呼ばれることもある。皮膚のメラニン色素を産生するメラノサイトという細胞や黒子(ほくろ)の細胞である母斑細胞が悪性化したものと考えられ、皮膚がんの中で最も悪性度が高いと言われている。死亡率は男女間ではあまり差が見られないが、年代別では男性で60歳代、女性で70歳代から増加の傾向が見られる。白色人種の発生率は有色人種の数倍に達し、紫外線が強い地域では発生率が増すという報告があることから、紫外線が関係しているとも考えられている。また、日本では、足の裏や爪(つめ)などの慢性的に刺激を受ける部位や衣類などで擦れる部位、外傷を受けた部位で多く発生する傾向が見られ、外的刺激も危険因子の1つと考えられる。まれに目などの粘膜に発生することもある。
2009年7月、WHO(世界保健機関)の下部組織である国際がん研究機関(IARC)が人工的に紫外線を発する日焼けマシンとメラノーマとの関係に関する論文を分析。日焼けマシンの使用が確実に発がんリスクを高めるとして、「紫外線を発する日焼けマシン」を発がんリスク分類の「グループ2」から、最も危険性が高い「グループ1」に引き上げた。グループ1には、喫煙、アスベスト、ヘリコバクター・ピロリの感染などが分類されている。

(小林千佳子  フリーライター / 2009年)

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化学辞典 第2版 「メラノーマ」の解説

メラノーマ
メラノーマ
melanoma

皮膚表面のメラニン生成細胞が悪性化したもので,増殖力が強く,悪性黒色腫ともいわれる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メラノーマ」の意味・わかりやすい解説

メラノーマ
めらのーま

悪性黒色腫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メラノーマ」の意味・わかりやすい解説

メラノーマ

悪性黒色腫」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のメラノーマの言及

【黒色腫】より

…メラノーマともいう。皮膚,粘膜,眼球脈絡膜などの色素細胞やほくろから生ずる黒色の悪性腫瘍で,正式には悪性黒色腫malignant melanomaという。…

※「メラノーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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