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血管腫 けっかんしゅ hemangioma

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

血管腫
けっかんしゅ
hemangioma

赤あざ。血管組織の増殖および拡張による病変で,本来の意味の腫瘍ではなく奇形の一種。良性のものをいう。以下のものが含まれる。 (1) 単純性血管腫 ポートワイン母斑。非隆起性,境界鮮明な赤色局面で,成長につれて大きくなるものと,次第に消えていくものがある。

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デジタル大辞泉の解説

けっかん‐しゅ〔ケツクワン‐〕【血管腫】

血管組織からできる良性腫瘍(しゅよう)。普通は毛細血管の集合したもの。赤あざ。

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百科事典マイペディアの解説

血管腫【けっかんしゅ】

血管組織からなる腫瘍(しゅよう)様の組織奇形。最も多いものは単純性血管腫で,毛細血管あるいは細い静脈からなる血管腫である。顔面頸部(けいぶ)の皮膚に好発し,いわゆる赤あざとなる。
→関連項目液体窒素療法放射線治療母斑

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大辞林 第三版の解説

けっかんしゅ【血管腫】

血管系の組織が局所的に増殖した腫瘍しゆよう。単純性血管腫・いちご状血管腫・海綿状血管腫・老人性血管腫などがある。俗に赤あざという。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

血管腫
けっかんしゅ

俗に赤あざとよばれる血管系の組織の異常で、血管の拡張を主体とするものと、血管壁を構成する細胞の腫瘍(しゅよう)性増殖を主体とするものの2種類に大別される。前者の代表は単純性血管腫、後者の代表はイチゴ状血管腫で、治療を必要としない老人性血管腫を除くと、両者で血管腫全体の約90%を占めている。そのほかにも多種多様の臨床、組織像を示すものが知られている。[水谷ひろみ]

単純性血管腫

皮膚面から盛り上がっていない赤色または赤紫色の母斑(ぼはん)(あざ)で、ちょうどぶどう酒を流したような外観を呈するところから、ポートワイン・ステインportwine stainともよばれている。生まれつき(生来性)のあざで、一生を通じてほとんど変化しないか、または多少色調が濃くなる程度のものが多いが、顔面や頭部に生じたものは成長するにしたがって肥厚し、大小のいぼのようなもの(結節性隆起)ができてくることもある。組織学的にはすべて真皮内毛細血管の拡張と増加で、真の腫瘍性増殖ではない。治療は、従来は形成手術が主として行われてきたが、近年レーザー光線による治療が試みられ、症例によってはよい成績が得られている。放射線は無効であるにもかかわらず、その過剰照射による後遺症例が後を絶たないので注意する必要がある。
 なお、単純性血管腫の特殊型としてサーモン・パッチsalmon patchとよばれるものがある。これは乳児の眉間(みけん)、上眼瞼(がんけん)(上まぶた)内側、額正中部、項部(襟首)などにみられる淡紅色のあざで、大部分が2歳ごろまでに自然治癒する。このほか、単純性血管腫を主症状とする母斑症に、スタージ‐ウェーバーSturge-Weber症候群、色素血管母斑症、クリッペル‐ウェーバーKlippel-Weber症候群などがある。[水谷ひろみ]

イチゴ状血管腫

表面が鮮紅色でぶつぶつしていてイチゴに似るところからこの名称があるが、わが国では古くから海綿状血管腫とよばれている。組織学的には、血管壁を構成する内被細胞の腫瘍性増殖よりなる。生後まもなく蒼白(そうはく)の貧血斑または小紅点を生じ、急速に大きくなって盛り上がり、一塊となって3週間から3か月以内に典型的な鮮紅色の柔軟な腫瘤(しゅりゅう)となる。その後一定期間の静止期を経てだんだん小さくなり自然治癒していくという特有の生活史を有する。その時間の遅速は血管腫の病型や大きさ、発生部位により異なるが、概して局面型のものは早く(4~5歳まで)、腫瘤型のものは遅い。とくに巨大型は10歳過ぎまで膨らみや皮膚のたるみが残りやすい。したがって治療はこれらの自然経過を考慮にいれて、症例ごとに、放置して観察するか早期に積極的に加療するかを決めなければならない。一般的には、積極的に加療するのは、(1)生命維持に必要な器官が障害をきたす場合、とくに視力保持、哺乳(ほにゅう)、鼻呼吸などの困難時、(2)整容的に大きな問題を残すと予想される巨大な病巣、(3)出血、潰瘍(かいよう)形成などを繰り返すものなどである。
 治療としては副腎(ふくじん)皮質ホルモンの内服、放射線療法、持続圧迫療法などがあげられるが、いずれも経験豊かな医師が慎重に行い、けっして過剰治療にならないよう注意することがたいせつである。
 なお、イチゴ状血管腫に類似した巨大血管腫にカサバッハ‐メリットKasabach-Merritt症候群がある。これは血小板減少症を伴い、全身に紫斑を生ずるもので放置すれば全身の毛細血管に血栓を生じて生命を脅かすおそれがある(播種(はしゅ)性血管内凝固異常、略称DIC)。この場合は速やかに専門医による治療を受けなければならない。[水谷ひろみ]

老人性血管腫

主として中年以後にみられるが、名称に反して思春期ころからも発生し、70歳では75%以上の人にみられる。直径1~1.5ミリメートル程度のドーム形鮮紅色の丘疹(きゅうしん)で、エンドウ豆大になることもある。整容上の問題以外では無害で、治療の必要はない。[水谷ひろみ]
『池田重雄・水谷ひろみ著『形成外科手術手技シリーズ あざの治療』(1981・克誠堂出版)』

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世界大百科事典内の血管腫の言及

【あざ(痣)】より


【母斑】
 母斑は,皮膚を構成する表皮細胞,色素細胞,血管,脂腺細胞などの要素が局所的にたまたま増加したもので,血管性母斑,色素細胞系母斑,表皮母斑,脂腺母斑などがある。
[血管性母斑hemangioma]
 血管腫とも呼ばれる。俗に〈赤あざ〉と呼ばれる単純性血管腫hemangioma simplex∥portwine stainは,扁平で盛上がりのない鮮紅色ないし淡紅色の斑で,境界ははっきりとしており,色は濃いものからうすいものまでさまざまである。…

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