サハリ・バロール(英語表記)Sahr-i-Bahlol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サハリ・バロール」の意味・わかりやすい解説

サハリ・バロール
Sahr-i-Bahlol

パキスタン北部,ペシャワルの北東ガンダーラ地方に残る都市遺跡。2世紀頃,ガンダーラ平野の小高い丘の上にクシャン朝カニシカ王が建立した寺院タフティ・バイに隣接して建設された要塞都市の遺構で,20世紀初頭に廃虚が発見された。残された石造の土台部分から,2階建ての家々が寺院のある丘のふもとまで続いていたとみられる。5世紀中頃,中央アジアのフン民族がこの地に侵入,仏教の聖地ガンダーラと仏像の揺籃ガンダーラ美術はともに滅ぼされ,タフティ・バイの寺院とともに難を逃れたものの,12世紀に入りイスラム教徒によって破壊された。タフティ・バイとともに 1980年世界遺産の文化遺産に登録。

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