日本大百科全書(ニッポニカ) 「サヤアシニクダニ」の意味・わかりやすい解説
サヤアシニクダニ
さやあしにくだに / 鞘脚肉蜱
[学] Glycyphagus destructor
節足動物門クモ形綱ダニ目無気門亜目コナダニ団ニクダニ科に属するダニ。学名にLepidoglyphus destructorをあてる学者もある。体長は雌0.4~0.5ミリメートル、雄0.37~0.48ミリメートル、体形は楕円(だえん)形で、体毛は長く羽毛状。脚(あし)は細長いが、先端の跗節(ふせつ)は鞘(さや)で覆われており、体の前体部背面の先端に縦の溝(背溝)がない点で同じ科のイエニクダニと異なる。また本種には移動若虫(ヒポプス、約0.35ミリメートル)が存在する。世界各地に分布し、穀類、穀粉、干魚製品(煮干し、かつお節など)、そのほか鳥獣の死体、室内の塵(ちり)などにもみいだされる。20~25℃、相対湿度75~85%において盛んに増殖する。
[松本克彦]