サラール語(読み)サラールご(その他表記)Salar

改訂新版 世界大百科事典 「サラール語」の意味・わかりやすい解説

サラール語 (サラールご)
Salar

中国青海省循化を中心とする黄河南岸地帯で話されているチュルク系の言語。チュルク諸語のうち最も東に分布する方言。話者人口は約3万とも約5万ともいわれる。サラール族は,中国で〈薩拉爾〉または〈撒拉〉と書かれる。また,サリ・ウイグルともいわれる。《明史》には〈撒拉畏兀児〉とある。しかし,このサリSarıとサラールSalarが同源かどうか明らかでない。数詞は次のとおり。biːr〈1〉,iʃki〈2〉,oʃ〈3〉,təːt〈4〉,peʃ〈5〉,aɫts〈6〉,jidz〈7〉,sekiz〈8〉,tɔqɔz〈9〉,on〈10〉,əːrχ〈40〉。これからもわかるように,ウイグル語,トルコ語などの-tʃには-ʃが,b-にはp-が,q-には-が,-qには-χが対応する。この点ではウズベク語にやや近いが,同じ中国内のチュルク語であるウイグル語からは遠い。サラール族は新疆ウイグル自治区よりも西から青海省へ移って来た可能性がある。チュルク諸語の特徴である母音調和は保たれている。モンゴル語からの借用語が多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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