日本大百科全書(ニッポニカ) 「サロー・プラン」の意味・わかりやすい解説
サロー・プラン
さろーぷらん
Sarraut Plan
フランスの政治家アルベール・サローが、植民地相として1921年に議会に提出したフランス領植民地の開発計画。この計画は第一次世界大戦までフランス植民地政策の基本理念とされていた「同化」Assimilation政策にかわって、本国と植民地の「協調」Association政策の採用を提唱するとともに、公共投資を主体とした植民地の経済開発を推進することによって、原料確保と国際収支の改善を図りフランス経済を再建しようとした。その実現は財政危機のために遅れたが、1930年代になって具体化した。フランス領植民地(とくにアフリカ)の本格的開発が行われたのは第二次大戦後のことであり、フランス本国からの財政資金によって道路、港湾などインフラストラクチュア(恒久的基幹施設)が整備された。サローの構想はその著書『フランス領植民地の開発』(1923)で展開されている。
[宮治一雄]