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国際収支 こくさいしゅうし International balance of payments

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際収支
こくさいしゅうし
International balance of payments

国境を越える財やサービス,資金の流れを体系的に示すもの。財・サービス輸出入取引を示す経常勘定と,資本の取引を示す資本勘定に大別される。さらに前者の収支 (経常収支) は,(1) 財貨の輸出入の差額を示す「貿易収支」,(2) サービスの輸出入および利子所得の差額を示す「貿易外収支」,(3) 対価を伴わない送金,贈与などの差額を示す「移転収支」に分れる。

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知恵蔵2015の解説

国際収支

国際収支とは、一定期間内の一国全体の対外経済取引を要約して示したものであり、経常収支(current balance)と資本収支(balance of capital account)に大別される。経常収支はさらに、商品の輸出入を示す貿易収支(trade balance)、運賃、保険料、旅行などのサービス収支、送金など対価を伴わない取引である移転収支、投資収益など所得収支、に分けられる。日本の国際収支構造は大きな変遷を遂げてきた。1950〜60年代前半には、景気の上昇のたびに国際収支が赤字となり景気拡大の制約要因となっていた。60年代後半には、貿易収支、経常収支の黒字基調と資本収支の赤字基調が定着したものの、70年代には石油価格の高騰によって経常収支は大幅な赤字に転じた。80年代に入ると、経常収支は大幅な黒字になると同時に、世界最大の資本供給国(資本収支は赤字)として国際経済に登場するようになる。なお、2005年には、初めて所得収支の黒字幅が貿易黒字を上回った。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

国際収支

日本と海外のさまざまなお金の出入りを表す統計。輸出入の差し引きである「貿易収支」、日本企業が海外で得たもうけから外国企業が日本から持ち出すもうけを引いた「所得収支」、海外旅行者らによるお金のやりとりを示す「サービス収支」、途上国への援助などを示す「経常移転収支」がある。各収支を合算した全体のお金の出入りを「経常収支」という。

(2014-01-15 朝日新聞 朝刊 5総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

こくさい‐しゅうし〔‐シウシ〕【国際収支】

一国が一定期間に行った外国との経済取引を集計した勘定。→国際収支マニュアル

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百科事典マイペディアの解説

国際収支【こくさいしゅうし】

一国の国際取引から生じた外国への支払と,外国からの受取との経済取引を,一定期間(通常1年)にわたって集計したもの。国際収支全体の合計額は必ず均衡をとってゼロとなる。
→関連項目IMF金利政策国際金融三角貿易貿易貿易外収支

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栄養・生化学辞典の解説

国際収支

 ある国が一定期間(通常1年)に行った経済取引を総合して集計したもの.

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FX用語集の解説

国際収支

国際収支は1年間の国際取引の受け取りと支払いの勘定の記録である。国際収支は大きく経常収支と資本収支で大別できます。経常収支(貿易・サービス収支、所得収支、経常移転収支)、資本収支(投資収支)。

出典|(株)外為どっとコム
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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいしゅうし【国際収支】

財貨・サービス,資本などの対外経済取引の全般的な状況ないしはその収支じり,あるいはそれらを総括的に記録した国際収支表を意味する。財貨の輸出入の状況を記録するものには〈通関統計〉〈輸出信用状接受高〉〈輸出認証統計〉〈輸入承認届出統計〉〈大手13商社輸出入成約状況〉などがあるが(〈貿易統計〉の項参照),対外経済取引の記録として最も基本的なものが国際収支表である。
IMF方式国際収支表]
 日本の場合,1966年までは〈外国為替統計〉が国際収支の公式の記録であったが,その後,国際通貨基金(IMF)から出された《国際収支提要Balance of Payments Manual》にのっとった〈IMF方式国際収支表〉が公式の記録となっている。

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大辞林 第三版の解説

こくさいしゅうし【国際収支】

一国が一定期間(通常一年間)において外国との間で行なった一切の取引の収支の勘定。大きくは,経常収支と資本収支とに分かれる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際収支
こくさいしゅうし
balance of payments

一定期間内(1年、半年、1か月など)に自国の居住者と外国の居住者との間で行われたすべての経済取引を体系的に記録したもの。[土屋六郎・前田拓生]

国際収支表

第二次世界大戦前は、その形式や作成方法が国によって違っていたため、国際比較上不便だったので、戦後は国際通貨基金(IMF)が統一基準として「国際収支マニュアル」Balance of Payments Manualを公表し、各国はこれに準拠してつくるようになった。「マニュアル」は戦後制定されてから、国際経済の実態の推移にあわせて改訂されてきた。それによると、国際収支表には「原表」と、それを組み替えてつくられた「国内発表形式」があるが、一般に公表されるのは後者である。したがって、以下後者に関して解説する。ただし、日本では2014年(平成26)1月の取引計上分から大幅な見直しが行われたため、まずは新旧統計の相違点について簡単に触れた後、新統計の主要項目についてみていくことにする。[土屋六郎・前田拓生]

日本の国際収支統計

旧国際収支統計は経常収支と資本収支に大別され、それに外貨準備増減と誤差脱漏が加わるものであったが、新しい国際収支統計では経常収支と資本移転等収支、金融収支に大別され、それに誤差脱漏が加わる形になっている。ここで経常収支は貿易・サービス収支と第一次所得収支、第二次所得収支に区分されるが、第一次所得収支は旧統計の所得収支、第二次所得収支は旧統計の経常移転収支から名称変更したものである。また、資本移転等収支は旧統計の資本収支に統合されていたその他資本収支であるが、新統計では大項目に変更されている。そして、旧資本収支(その他資本収支を除く)は外貨準備増減と統合されて金融収支となった。[前田拓生]
経常収支
財貨やサービスなど実物取引の記録であり、次の項目に分類される。[前田拓生]
貿易・サービス収支
(1)貿易収支 ここでは一般商品および非貨幣用金の輸出入に加えて、旧統計ではサービス収支に計上されていた仲介貿易商品加工の取引も含まれる。
(2)サービス収支 サービスは無形財なので、商品(有形財)貿易が「見える貿易」visible tradeといわれるのに対し、「見えない貿易」invisible tradeともよばれる。経済の国際化に伴いサービスに関する取引は急速に拡大し、内容も多様化している。当該収支の項目には輸送(海運および空輸)、旅行、その他サービス(委託加工サービスおよび維持修理サービス、建設、保険・年金サービス、金融サービス、知的財産権等使用料、通信・コンピュータ・情報サービス、その他業務サービス、個人・文化・娯楽サービス、公的サービス等)があり、それぞれについて資金の受払いが計上されている。なお、旧統計で貿易収支に計上されていた委託加工サービスおよび維持修理サービスは、新統計でサービス収支に計上替えとなった。[前田拓生]
第一次所得収支
生産過程に関連した所得および財産所得で、雇用者報酬と投資収益、その他第一次所得で構成される。雇用者報酬には非居住者が運航する船舶や航空機で働いている居住者乗務員が受け取る給与など自国以外で稼いだ報酬があり、投資収益には金融資産提供の対価である配当金や利子等が計上される。[前田拓生]
第二次所得収支
賠償や贈与のように対価を伴わない一方的取引のうち、相手国の経常移転となるものが計上される。具体的には食料、医療品、衣料などの無償資金援助、外国人労働者の本国送金などである。ここで「移転」とは当事者の一方が経済的価値のあるもの(財貨、サービス、金融資産、非金融非生産資産)を無償で相手方に提供する取引をいう。[前田拓生]
資本移転等収支
ここでは資本移転と非金融非生産資産の取得処分を計上している。
(1)資本移転 資産(現金、在庫を除く)の所有権移転を伴う移転や投資贈与、債務免除を計上する。
(2)非金融非生産資産の取得処分 天然資源およびリース、排出権や移籍金等のライセンス、マーケティング資産(商標権等)の取引を計上する。[前田拓生]
金融収支
経常収支が実物取引の記録であるのに対し、金融収支は貨幣的資本の取引が記録される。また経常収支では、勘定は受取りと支払いに仕訳されたが、金融収支では資産(本邦資本)と負債(外国資本)に分かれる(外貨準備に関してはその性格上資産のみ)。資産・負債はストックの概念である。これをフローである経常取引の受取り・支払いベースにあわせるために、一定期間内における増減分だけを計上する。たとえば、本邦資本の対外投資が行われた場合には、商品輸入に対して代金が支払われたのと同様に資金が流出するので、支払側にその金額が記帳される。なお、国際収支統計および対外資産負債残高において旧統計では証券投資、金融派生商品、その他投資を公的・銀行・その他の3部門に分類していたが、新統計では中央銀行・一般政府・預金取扱機関・その他金融機関・その他(一般事業法人、個人等)の5部門に細分化された。金融収支は直接投資および証券投資、金融派生商品、その他投資、外貨準備に区分される。[前田拓生]
直接投資
直接投資とは収益目的だけでなく、相手企業の経営支配をも目的とするもので、投下資本の形態に応じて、株式資本および収益の再投資、負債性資本に区分される。[前田拓生]
証券投資
ここでは証券の取引のうち、直接投資(前述)や外貨準備(後述)に該当しないものが計上される。取引において非居住者発行証券の場合は資産として、居住者発行証券の場合には負債として計上する。証券種類に応じて資産と負債は株式・投資ファンド持分と債券に区分される。株式・投資ファンド持分は株式と投資ファンド持分に、債券は中長期債と短期債に区分する。[前田拓生]
金融派生商品
金融派生商品とは、ほかの金融商品や指数、商品に連動する金融商品をいう。ここではオプションのプレミアム・売買差損益および新株予約権等、先物・先渡取引の売買差損益、通貨スワップの元本交換差額、スワップ取引の金利・配当金・キャピタル・ゲイン等を計上する。[前田拓生]
その他投資
直接投資および証券投資、金融派生商品(それぞれ前述)、外貨準備(後述)のいずれにも該当しない金融取引を計上する。ここでは持分および現・預金、貸付/借入、保険・年金準備金、貿易信用・前払、その他資産/その他負債、SDR(特別引出権。負債のみ)に区分する。なお、貸付/借入および貿易信用・前払、その他資産/その他負債は、原契約期間が1年を超えるものを長期として、1年以下は短期として区分する。[前田拓生]
外貨準備
外貨準備とは通貨当局が為替(かわせ)相場の安定を図るための為替市場介入を目的として、いつでも使用できる形で保有する資産をいう。具体的には当局が保有する貨幣用金、IMFのSDRやリザーブ・ポジション、外貨資産(現預金、有価証券)などである。ここでは外国為替特別会計や日本銀行が保有する資産で、外貨準備として保有されているものの増減を計上する。[前田拓生]

国際収支の赤字・黒字

国際収支は主として、その国の対外的な資金の受払い状況を明らかにする目的でつくられてきた。受取りが支払いよりも大きければ黒字、逆の場合は赤字である。では、黒字や赤字はどのようにして判定してきたかというと、第二次世界大戦後の一時期は外貨準備の変化に着目し、それが増加すれば黒字、減少すれば赤字である、と判定した。ちょうど家計の貯金が増えれば黒字、減れば赤字であるのと同じに考えた。ところが為替の自由化、金融の国際化などによって貯金に相当する取引が外貨準備増減だけではなくなり、民間金融機関の対外的な資金繰りも同じ機能をもつとされて範囲が拡大した。こうして通貨当局が保有する外貨準備の増減と、民間の為替銀行のもつ短期金融資産・負債の変化分を一括して金融勘定とし、その動向によって国際収支の総合的な状況をとらえる方法が採用された。しかし、この種の短期資金移動はきわめて活発となり、その目的も単に資金繰りだけではなく、金利差益や為替差益を目的とする取引が増大したことから、金融勘定で総合的収支尻(じり)を判定する方法は1996年(平成8)1月より廃止された。結局、国際収支のなかでは、経常収支や貿易・サービス収支の動向が重要性を増した。[土屋六郎・前田拓生]

国際収支の調整

一国の経常収支や貿易収支の不均衡が大きくなると、国際的な問題になる。第二次世界大戦後、日本の貿易収支の黒字が巨額になると、アメリカをはじめ貿易相手国からは不正な競争をしているのではないかと非難され、しばしば貿易摩擦を引き起こした。このような場合には、収支を調整することが必要となるが、それには不均衡の原因を究明し、それに応じた対策を講じなければならない。貿易黒字の原因が国際競争力が強すぎることにあるならば、競争力を抑える対策が有効となる。その有力な対策として、為替相場を円高に誘導させる方法がある。円高になれば、一般に輸出価格は上昇するので輸出は抑えられ、輸入価格は下落するので輸入は増え、貿易黒字は減少する。このような政策は、対外的な価格関係を是正するのがねらいであるので、価格調整(支出転換)政策という。貿易黒字の原因が、国内経済の停滞に基づく場合もある。つまり国内が不況であると、外国品の輸入は伸びず、国内品も国内販売が不振となるため輸出へ向かうようになり、貿易収支は黒字傾向となる。この場合には、金融・財政政策によって国内需要を拡大させる対策が必要となる。このように内需を調整することによって、輸出入を均衡に導く政策を需要(支出)調整政策という。[土屋六郎・前田拓生]
『東京銀行調査部編『国際収支の経済学』(1994・有斐閣) ▽土屋六郎編著『国際経済学』(1997・東洋経済新報社) ▽菊地渉「国際収支関連統計の見直しについて」(『ファイナンス』平成25年11月号所収・2013・財務省)』

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世界大百科事典内の国際収支の言及

【国際収支理論】より

…さまざまな経済主体が一定期間中に行うすべての国際経済取引の結果,一国全体として対外決済上の地位がどのように変化するかを分析し,そのマクロ経済政策上の含意を明らかにするための理論。固定為替相場制のもとでは,為替相場の安定を維持するために通貨当局は国際収支の赤字・黒字によって生じる対外決済手段の需給のアンバランスを埋めなければならない。また変動為替相場制のもとでは,国際収支の赤字・黒字は為替相場の変動と密接な関係がある。…

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