…その後,〈洋装の似合う〉高峰三枝子,桑野通子,高杉早苗の〈近代娘〉三人にスターの座を譲るが,第2次世界大戦後は《夜の女たち》(1948)から《西鶴一代女》(1952),《雨月物語》(1953),《山椒太夫》(1954)等々に至る溝口健二監督作品を中心に,日本の母親を演じた成瀬巳喜男監督《おかあさん》(1952)や,中年女の役を演じた五所平之助監督《煙突の見える場所》(1953)や姥捨山に捨てられる老母を演じた木下恵介監督《楢山節考》(1958)等々を通して,〈演技派女優〉として活躍し,数々の名作を残した。熊井啓監督《サンダカン八番娼館・望郷》(1974)で1975年ベルリン映画祭主演女優賞を受賞,日本の数々の映画賞も独占した。《恋文》(1953)で監督としてもデビュー。…
※「サンダカン八番娼館望郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」