サン=モール会士たちの学派。サン=モール会はベネディクト会の一修族で,ベネディクトの戒律を厳格に守るため 1621年パリのサンジェルマンデプレに本部をおいて発足,フランスに最初にベネディクトの戒律を伝えたといわれるベネディクトの高弟マウルスからその名を取った。フランスのほとんどのベネディクト会が参加した。 1790年の革命の際,総会長シェブルらが殉教し,1818年正式に解散した。初代総会長 G.タリス (1630~48) が学問研究を会の任務と定めてから,J.マビヨン,B.モンフォーコン,L.アシュリーらのすぐれた学者を輩出し,神学,修道会史,教父学などに多大の貢献をした。古文書学を確立し,新しい言語学的方法をもって厳密な本文校訂を行なって教父たちの著作集を出版し,それらは会の解散後ミーニュ版の教父全集に組込まれた。現代の古典研究法に及ぼした影響は多大である。その膨大な出版物のなかには『フランス文学史』 Histoire littéraire de la France (12巻,1733~68) が含まれ,これものちにエコール・デ・シャトルが引継いだ。