ザユル県(読み)ザユル(その他表記)rdza yul; Chayü

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザユル県」の意味・わかりやすい解説

ザユル(察隅)〔県〕
ザユル
rdza yul; Chayü

旧称はサンアンチュイ (桑昂曲) 。中国西南地方,チベット (西蔵) 自治区南東部,ニンティ (林芝) 地区の県。ヒマラヤ山脈東端の南斜面にある。森林におおわれ,谷底から山頂に進むにつれ,暖帯林から温帯林,さらに針葉樹林へと変化し,山頂には氷河が発達している。行政中心地のチーコン (吉公) はヤルン川の支流ザユル川の谷にある。谷底は温暖湿潤な農業地域で,ハダカムギのほか水稲,コムギトウモロコシが栽培され,段々畑造成が盛んである。傾斜地には広く茶園が開かれ,リンゴ,モモ,ナシなどの果樹作も行われる。人口2万 2802 (1990) 。

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