ザーヒル・アルウマル(その他表記)Dāhir al-`Umar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザーヒル・アルウマル」の意味・わかりやすい解説

ザーヒル・アルウマル
Dāhir al-`Umar

[生]?
[没]1775.8. アコー
中東の政治家。本名は Dāhirだが,現地音でザーヒル Zāhirと発音される。北部ヨルダン,パレスチナ地方で勢力を有し,アコーを修復してそこを根拠地とし,1750年にオスマン帝国から事実上独立した政権を樹立した。エジプトアリー・ベイと同盟してオスマン朝に対抗し,1768~74年の露土戦争の際,ロシアの援助を得てシリアを制圧したが,1775年,オスマン朝の軍に敗れ,部下の裏切りにあって殺された。

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世界大百科事典(旧版)内のザーヒル・アルウマルの言及

【パレスティナ】より

…しかし18世紀後半,レバノン山地やエジプトの情勢と連動しつつ,アッカーを中心にして,イスタンブールのスルタン政府から自立した地方権力が展開した。すなわち,サファドの領主ザーヒル・アルウマルẒāhir al‐‘Umarは勢力を拡大して,1768‐74年露土戦争の際にエジプトのアリー・ベイと同盟し,ロシアの援助を得つつオスマン宮廷に反逆した。また,ザーヒルの権力の崩壊後は,1774‐1804年の間アッカーに拠ったボスニア生れの軍人ジャッザールがシリア全土に勢威を伸ばし,オスマン帝国もこれを認めて利用せざるをえなかったが,彼は,1799年にエジプトからシナイ半島を越えてアッカーを衝こうとしたナポレオン軍を,イギリス艦隊に支援されつつ撃退することができた。…

※「ザーヒル・アルウマル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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