山川 世界史小辞典 改訂新版 「ザール地方」の解説
ザール地方(ザールちほう)
Saarland
フランスとドイツの国境地帯にある石炭などの重要資源を産するヨーロッパ有数の工業地帯。人口の9割がドイツ系である。プロイセン‐フランス戦争の結果ドイツに併合されたが,第一次世界大戦後ヴェルサイユ条約で国際連盟の監督下に自治制をしき,炭田の所有・採掘権はフランスに譲渡された。1935年人民投票の結果ドイツに復帰した。45年フランスはこの地方を占領し,自国の経済圏への編入を図ったが,57年に人民投票が行われて西ドイツに帰属,現在ドイツ連邦共和国の1州となっている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報