シシフォスの神話(読み)ししふぉすのしんわ(その他表記)Le Mythe de Sisyphe

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シシフォスの神話」の意味・わかりやすい解説

シシフォスの神話
ししふぉすのしんわ
Le Mythe de Sisyphe

フランスの作家アルベール・カミュエッセイ。1942年刊。人間存在と世界との関係を「不条理」としてとらえ、その日常的現れ、ハイデッガーヤスパース、キルケゴールらの実存主義哲学者、フッサールらの現象学者らの不条理認識の検討、死刑囚俳優ドン・ファンらの不条理の人間たちの素描などを経て、不条理は人間にとっての出発点であり、この出発点を不断に意識することを経て初めて人間的自由があると説く。このような不条理な自由をもっともよく体現しているのは、山頂に持ち上げると落ちてくる岩をたゆみなく持ち上げ続けるギリシア神話の人物シシフォスの労働だが、これをただ無益とみるのではなく、幸福だと観じなければならないのだという。カミュの運命愛を表す書。

[西永良成]

『清水徹訳『シーシュポスの神話』(新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 新潮文庫 神話

菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...

重陽の用語解説を読む