改訂新版 世界大百科事典 「シティズンバンド」の意味・わかりやすい解説
シティズンバンド
citizen's band
略称CB。一般市民用の無線周波数帯のことであるが,シティズンバンド・ラジオ(市民ラジオ)を指すことが多い。市民ラジオは1961年に日本でも制度化されたが,パーソナル無線の導入を機に,83年からは技術基準適合証明マークをつけた無線機であれば免許は不要となった。27MHz帯の電波で電力が0.5Wのため,市街地で1~2km,郊外で4~5km,海上でも10kmが到達限界である。携帯型の無線機を使い送信,受信を交互に行うが,バンド内の八つの周波数を共用するため,通信距離が長くなると混信が多くなって確実な通信がむずかしい。個人的な趣味,娯楽や家業通信連絡,遠足やドライブのグループ連絡のほか,長距離トラック運転手間の通信に広く使われている。普及するにつれ不法な大電力無線機や大型アンテナを使うものが多くなり,他の無線局やテレビ受像機への妨害がひどくなったため,適合証明が要件とされることになった。
執筆者:小室 圭五
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報