改訂新版 世界大百科事典 「シトロネラソウ」の意味・わかりやすい解説
シトロネラソウ
citronella grass
Cymbopogon nardus Rendle
香料をとるイネ科の多年草。シトロネラともいう。熱帯アジアの原産。高さ約2mでススキに似る。葉は長さ90cm,幅2cmほどで,切れば芳香が出る。そのためコウスイガヤとも呼ばれる。スリランカが主産地で,ジャワおよびマレー半島にも栽培がある。繁殖は株分けによる。葉を水蒸気蒸留してシトロネラ油をとる。精油の成分はd-シトロネラール(24~34%),ゲラニオール(26~40%)で,ほかにl-ボルネオールなどを含む。シトロネラ油は,香水原料のほかセッケンや防虫クリームの香料にする。なお同様に精油をとる同属近縁の香料植物には,ジャワシトロネラソウC.winterianus Jowitt(ジャワシトロネラ油。シトロネラ油より品質良),パルマローザC.martini (Roxb.)Stapf(英名palmarosa。パルマローザ油),レモングラス(レモングラス油)などがある。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報