日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウスイガヤ」の意味・わかりやすい解説
コウスイガヤ
こうすいがや / 香水茅
citronella grass
[学] Cymbopogon nardus Rendle
イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。名は香水をとるカヤの意で、シトロネラグラスともいう。セイロン島(スリランカ)原産で、葉から芳香油をとるために熱帯、主としてセイロン島とジャワ島で栽培される。日本の山野に自生するオガルカヤに近縁で、草丈約1.5メートルのジャワ型(ジャワシトロネラ)と草丈約1メートルのセイロン型(セイロンシトロネラ)とがあるが、油量、成分ともジャワ型のほうが優れている。繁殖は株分けにより、植え付け後約1年たってから最初の刈り取りをする。以後、収穫は年間3回ほど、4~6年続けられる。刈り取り後陰干ししてから、蒸留して精油シトロネラ油をとる。主成分はゲラニオールとシトロネラールで、香水をはじめ、化粧品やせっけんの香料とする。同属のレモングラスC. citratus Stapfとパルマローザ(パルマロサグラス)C. martini Wats.からも芳香油をとる。
[星川清親 2019年8月20日]