日本大百科全書(ニッポニカ) 「シトロネラ油」の意味・わかりやすい解説
シトロネラ油
しとろねらゆ
citronella oil
イネ科植物のシトロネラの草の葉を水蒸気蒸留すると収油率0.7%で得られる精油。ジャワ種とセイロン(スリランカ)種がある。精油成分はd-シトロネラール(30~40%)、ゲラニオールとシトロネロール(35~45%)、ピネン、リモネンなどである。主産地は台湾、ジャワ島、グアテマラ、ブラジルなどである。品質の国際規格は総合ゲラニオールtotal geraniol(ゲラニオール、シトロネロール、シトロネラールの合計)85%であり、シトロネラール35%保証である。ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ヒドロキシシトロネロールなどの原料およびせっけん香料に用いられる。シトロネラ油は精油のうちではテレビン油、パイン油に次ぐ生産量を示し、香料部門における重要性はきわめて大きい。
[佐藤菊正]