日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバツトガ」の意味・わかりやすい解説
シバツトガ
しばつとが / 芝苞蛾
bluegrass webworm
[学] Parapediasia teterrella
昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科に属するガ。はねの開張15~20ミリメートル。前翅に灰褐色と赤褐色の横線が2本あり、縁毛は金色に輝く。後翅は白色で無紋であるが、外縁部はやや暗色。本種は北アメリカで、幼虫が芝生の茎や葉を食べる害虫として古くから知られていたが、1964年(昭和39)にジョージア州から兵庫県のゴルフ場がティフトンシバを輸入したときに日本へ入ってきたらしく、68年からはコウライシバにも寄生するようになり、急速に広がり、東北地方から沖縄県まで、ゴルフ場ばかりでなく、一般の庭園の芝生にもみられるようになった。本種の幼虫の被害によりシバが枯死するようなことはほとんどないし、一年生のイネ科植物には寄生しない。
[井上 寛]