シベトロ(読み)しべとろ

日本歴史地名大系 「シベトロ」の解説

シベトロ
しべとろ

漢字表記地名「蕊執」「蘂取」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名としても記録されている。エトロフ島北部の海岸に位置する。天保郷帳には「ヱトロフ嶋」のうちに「シベトロ」とみえ当地一帯は近代に入り蘂取村に包含された。仮名表記は「シベトロ」(「東蝦夷地場所大概書」「東行漫筆」、「蝦夷日誌」三編、「行程記」)のほか「シペトロ」(北夷談)、「シヘトロ」(東蝦夷地場所大概書・東行漫筆)もある。漢字表記は「蕊執」(寛政一二年「恵登呂府村々人別帳」近藤重蔵蝦夷地関係史料)のほか「志部斗呂」「志反止呂」(児山「蝦夷日記」)がみられる。一帯の地形は「蝦夷日誌」(三編)に「海岸通り岩路故歩行しがたし。地形戌亥の方向、南ヲン子モシリ、北トシラリの両岬にて少しの内湾をなし、陸の方アトイヤノホリの長根ニかゝる」とある。「東蝦夷地場所大概書」は「六、七里程上に大沼ありと云」と記す。


シベトロ
しべとろ

アイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名としても記録されている。ルロイ南方の西海岸に位置する。天保郷帳には「クナシリ嶋」のうちに「シベトロ」とあり、当地一帯は近代に入り留夜別村、のち大滝おおたき村に包含された。仮名表記は「シベトロ」(「東行漫筆」、「蝦夷日誌」三編、「行程記」)、「シヘトロ」(木村「蝦夷日記」、「東蝦夷地場所大概書」、多川仲之丞「蝦夷道中日記」)のほか「シブトロ」(木村「蝦夷日記」)もある。当地は「東蝦夷地場所大概書」に「此所南北請の所にて船懸り澗」はなく、「船々沖掛り」と記され、「蝦夷日誌」(三編)には「従ヲン子トウ三里。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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