シャーヒジンダ(その他表記)Shāh-i Zindah

改訂新版 世界大百科事典 「シャーヒジンダ」の意味・わかりやすい解説

シャーヒ・ジンダ
Shāh-i Zindah

ウズベク共和国のサマルカンドに残る,イスラム世界ではユニークな墓廟群。〈生ける王者〉の意。丘の南側の麓にウルグ・ベクが1434-35年に新たに設けた門から,丘の頂まで続く約70mの小道の両側に14世紀後半から15世紀前半にかけて大小の墓廟が建てられた。その多くは無名の墓廟で,建立年代もつまびらかでない。おもな遺構は頂上にあるカーシム・ブン・アッバース(預言者ムハンマドの従兄弟)廟と伝えられている遺構,ティムールの姪シャディ・ムルク・アーカーの墓廟やティムールの妻の一人トゥマン・アーカーの墓廟およびモスクなどで,公的な性質を帯びた支配者の墓廟と違い,私的な性格を強く有する点に大きな特色がある。また,各墓廟の方形の墓室に架けられたタイル張りのドーム,あるいはムカルナス(鍾乳石飾)を施したり,銘文アラベスクをタイルで浮彫状に表したモニュメンタルな入口(ピシュターク)も顕著な特徴である。なお,最近の発掘によって11世紀ころのマドラサ跡が発見されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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