普及版 字通 「ショク・たのかみ・すく」の読み・字形・画数・意味
10画
[字訓] たのかみ・すく
[説文解字]
[字形] 象形
田神の象。耜(すき)(厶(し))を頭とする神像は(しゆん)。これに対して田神の像を稷といい、周の始祖后稷(こうしよく)はもと農業神の名であろうと思われる。〔説文〕五下に「稼を治むること、としてむなり」とするが、字は稷の初文とみるべきである。田は鬼頭のような形。〔儀礼、特牲饋食(きし)礼〕、〔礼記、祭統〕に「尸(かたしろ)謖(た)つ」とあり、謖(しよく)とは神像のようにいかめしく振る舞う意であろう。
[訓義]
1. たのかみ、すきのあたまをした神像。
2. すく、田をすく。
3. はすきのするどいさま、たちいのするどいさま、すすむさま。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ススム
[声系]
〔説文〕に声として稷など二字を収める。稷は黍稷(しよしよく)の意に用いるが、后稷は農業神、がその神像を示す字であった。謖は〔爾雅、釈言〕に「(た)つなり」とあり、謖謖とはその峻挺のさまを形容する語である。
[熟語]
▶・然▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報