化学辞典 第2版 「シリカ-アルミナ触媒」の解説
シリカ-アルミナ触媒
シリカアルミナショクバイ
silica-alumina catalyst
シリカゲルとアルミナゲルの結合によって得られる典型的な無定形の固体酸触媒.酸性白土の触媒作用に端を発して見いだされたもので,酸性の発現機構は結晶性の粘土鉱物やゼオライトの場合と同様である.すなわち,シリカとアルミナが結合するとき,SiO4四面体格子中の Si4+ の位置が Al3+ で置換されると,H+ あるいは Na+ のようなカチオンで正荷電の不足が補われる.このような H+(Na+ の場合はイオン交換して H+ にする)は強い酸性を示す.シリカゲルを水酸化アルミニウムゲルと機械的にまぜるゲル混合法でも活性な触媒が得られるが,ケイ酸とアルミニウムイオンの混合水溶液を一緒にゲル化させる共ゲル化法によれば,さらによい混合が実現でき,酸点の濃度が増加する.石油の重質油分を分解して高オクタン価ガソリンをつくる接触分解法にこのシリカ-アルミナ触媒が一時使用されたが,最近,さらに高活性なゼオライトにとってかわられた.しかし,一般的な固体酸触媒としての用途は広い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報