シリカゲル(読み)しりかげる(英語表記)silica gel

翻訳|silica gel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリカゲル」の意味・わかりやすい解説

シリカゲル
しりかげる
silica gel

ケイ酸ゲルのこと。成分はSiO2nH2Oである。水分子の数は条件によって変わる。天然に存在するケイ酸の多くはシリカゲルとして産する。合成品は、水ガラスケイ酸ナトリウム)水溶液と、硫酸または塩酸との複分解によって得られるシリカゾルをゲル化させる。普通、無色の粒状物として市販され、比重は2.2~2.3。酸には強いが濃アルカリ溶液に徐々に溶ける。水蒸気、アンモニアガスなど多くの物質に対して吸着力が強い。コバルト(Ⅱ)塩をしみ込ませたものは、無水のときは青色、吸湿すると淡紅色に変化する。淡紅色となったものを加熱すると脱水されて、ふたたび青色となり、乾燥剤として広く用いられる。そのほか、脱水剤、クロマトグラフィー用吸着剤、触媒の担体などとしても用いられる。

[守永健一・中原勝儼]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリカゲル」の意味・わかりやすい解説

シリカゲル
silica gel

水ガラスのアルカリを水和しゲル化したのち乾燥してつくるケイ酸のゲル。非常に大きな吸着力をもち,空気中の水分を吸着除去する除湿剤,あるいは低沸点炭化水素の分離採取などに広く使われている。

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