六訂版 家庭医学大全科 「ジアノッティ病」の解説
ジアノッティ病
ジアノッティびょう
Gianotti-Crosti disease
(皮膚の病気)
どんな病気か
小児期にみられ、ウイルスなどの感染と関連して、四肢の伸側や顔面を中心に
原因は何か
ジアノッティ病は当初、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染後に、ウイルスに対する炎症反応が原因で生じる病気として報告されていました。その後、EBウイルス、サイトメガロウイルス、コクサッキーウイルス、マイコプラズマなどのさまざまな病原体の感染後にもみられることが判明し、ジアノッティ症候群とも呼ばれています。本症が現れた時点では感染性の病原体は消失していることが多く、感染による免疫反応の乱れが生じた人に、反応性の皮膚病変がみられるものと考えられています。
症状の現れ方
四肢の伸側、両
検査と診断
特徴的な皮疹の分布と性状を確認することで診断されます。HBV感染によるものであれば肝機能障害が現れることがあるので、血清中の
原因の病原体を特定しなければならないことは少ないのですが、必要であれば疑わしいウイルスなどについて抗体価の測定を行います。
治療の方法
発疹が現れた時点で感染に対する免疫が成立していると考えられ、皮膚病変も通常1カ月以内に消失します。HBV感染に伴うものでは慢性肝炎あるいはキャリアーへの移行がありうるので、検査結果によって治療方針が決定されます。
病気に気づいたらどうする
皮膚科あるいは小児科を受診し、診断を確定するとともに肝機能検査を行います。
安元 慎一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報