ジケテン

化学辞典 第2版 「ジケテン」の解説

ジケテン
ジケテン
diketene

4-methylene-2-oxetanone.C4H4O2(84.07).ケテンダイマーともいう.ケテンの非対称二量体であり,β-プロピオラクトンの構造をもつ.放置すると徐々に重合するため,安定剤を含んだ形で販売されることもある.550 ℃ 程度で熱分解するとアセチル化剤などとして有用なケテンを生成する.また,さまざまな求核体(アルコールアミンなど)と反応し,アセト酢酸誘導体を生成する.この性質を利用してアミノ基などの保護基として用いられることもある.求電子体とはエキソメチレン部で反応し,4位に置換基をもつアセトアセチル誘導体を与える.薬品染料農薬,高分子などの分野で広範に使われている.LD50 560 mg/kg(ラット経口).[CAS 674-82-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジケテンの言及

【ケテン】より

…酢酸と反応させると無水酢酸(CH3CO)2Oが得られる(ワッカー法)。また,きわめて容易に二量化しβ‐ラクトン型のジケテンとなる。ジケテンは催涙性の刺激臭をもつ有毒の液体で,融点-6.5℃,沸点127.4℃。…

※「ジケテン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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