六訂版 家庭医学大全科 「ジャケットクラウン」の解説
ジャケットクラウン
Jacket crown
(歯と歯肉の病気)
ジャケットクラウンとは、ポーセレン(セラミックス)やレジン(プラスティック)によりつくられた、歯の色をした冠のことです。歯の色調や形態の再現性がよいのが特徴です。
ポーセレンジャケットクラウンの最大の利点は、天然歯に最も近い審美性があることです。金属をまったく使用しないため、自然な透明感を得ることができます。しかし素材的に衝撃に弱く、外力により金属よりも破損しやすいという欠点もあります。大きな力が加わる場所やケース、すなわちブリッジなどの歯を失った部分の修復や、歯ぎしり・食いしばりが強い患者さんでは、クラウン自体に大きな力が加わるため、適応外と考えられます。
レジンジャケットクラウンの材料はレジンや硬質レジンで、強度・透明性・色調再現性はポーセレンに似ています。ただし、ポーセレンと比較すると、対磨耗性に劣るため、年数をへると変色や磨耗が生じます。さらに、ポーセレンと同様に衝撃力に弱いという欠点があり、適応もポーセレンジャケットクラウンと同様です。
羽村 章
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報