ジュツ・つつしむ・うれえる・あわれむ

普及版 字通 の解説


8画

[字音] ジュツ
[字訓] つつしむ・うれえる・あわれむ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
血+卩(せつ)。血は盟誓のときに用いるもの。その前に人が坐する形。盟誓にのぞんで、つつしむ意を示す。〔説文〕五上に「憂ふるなり」と訓し、卩声とするが、字は会意。金文の〔公華鐘(ちゆこうかしよう)〕に「其の(わしよう)を鑄る。以て其の祭祀祀を(つつし)め」のように用いる。また〔鐘(たくしよう)〕に「用(もつ)て祀をせよ」とあり、敬が字の本義。それより憂の意となる。〔説文〕に「一に曰く、鮮少なり」とは、のちの俗語の「些」にあたる。当時すでにその用法があったのであろう。

[訓義]
1. つつしむ、盟誓にのぞむときの緊張をいう。
2. うれえる、おどろきおそれる。
3. あわれむ。
4. と通じ、しずか。
5. 些、すくない。

[古辞書の訓]
名義抄 タマフ

[語系]
・恤siutは同声。悴・瘁dziutは声近く、同系の語と考えられる。xiukは〔説文〕八上に「靜かなり」とあり、また誓盟にのぞむときのさまをいう語であろう。*語彙は恤字条参照。

[熟語]

[下接語]
・矜・厚・賜・振・賑・存・贍・撫・労

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報